伊増峠
【いますとうげ】
不破郡関ケ原町今須にある峠。「美濃雑事記」に「不破郡今須宿昔は居益(います)と書きしなり。此宿の東の端に居益塔下と云ふ坂有り」とある。また「新撰美濃志」に「一条兼良公の藤川記に伊増たうげといふはみののさかひにて堅城と見えたり,一夫関にあたれば万夫すぎがたき所といふべし」とある。付近に藤下(とうげ)の地名がある。関ケ原盆地と今須川流域の間にある比高150m内外の丘陵を越える坂道で峠というほどの地形ではないが,中山道の通過する美濃と近江の境で,交通上も軍事上も重要なところであったのであろう。今は国鉄東海道本線・東海道新幹線・国道21号・名神高速道路が並行してこのあたりを通過している。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7104585 |