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軽岡峠
【かるおかとうげ】


軽岡嶺ともいう(後風土記)。大野郡荘川(しようかわ)村六厩(むまい)と三尾河(みおご)の間にある峠。標高1,149m。白川街道(現国道158号)の三峠(ほかの2つは小鳥(おどり)峠・松之木峠)のうち最西で最高。古くからよく利用され,アブの多さは飛騨随一といわれ,「年々黴雨の頃より数千の虻飛び出て,往来の人の顔にまれ,首にまれ,手足にまれ,知らぬ間に,掻着て螫し,血を吮て悩ましぬ」(後風土記)。明治36年大々的な改修工事が行われ,車馬の通行が可能になった(荘川村史)。頂上部に長さ108mのトンネルを開設するなど改良を進め,昭和5年バスの運行を開始。急坂とヘアピンカーブが連続するうえ,トンネルも狭くて危険なため,同34年7月六厩~三谷間の新軽岡峠の完成に伴い廃道。旧峠の辻にあった千鳥格子の地蔵堂(慶長~元和年間の建立で,飛騨の匠の細工の妙を示す)は,新峠の六厩側の麓へ移築された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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