高倉峠
【こうくらとうげ】

揖斐(いび)郡藤橋村塚と福井県南栄郡今庄(いまじよう)町瀬戸との県境にある峠。標高964m。揖斐川上流部の山村と越前と結ぶ峠道は，揖斐川源流の道谷(みちんたに)沿いに峠まで登り詰めて高倉谷に下る難路で，明治末期までは檜尾峠・冠(かんむり)峠とともに美濃～越前間の重要な交通路であった。現在は岐阜県側は峠下まで林道が開設され，ブナ材などの伐採をしている。南北朝期に藤橋村には南朝方の徳山氏が拠っていたが，延元４年，越前の南朝方の脇屋義助はこの峠道をたどって根尾（現根尾村）に逃げのびた。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7106024