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白水の滝
【しらみずのたき】


大白川滝ともいう(後風土記)。大野郡白川村の大白川(庄川の支流)にかかる滝。白山火山群は3回にわたって噴出した溶岩で形成されているが,最後の噴出による焼切溶岩の末端,柱状節理をなす角閃安山岩の絶壁にかかり,標高1,180m,幅8m・高さ72m。「平瀬村より滝まで六里強,滝より上を白水谷,滝より下を大白川と云」(後風土記)。弘泰の白山登山紀行「山分衣」(天保12年)に「落ちくたる勢につれて,みだるゝ波,煙のやうに,上みさまに吹きあげらるゝが,きさみきさみわかれて,桑子の綿引きりて,すき間なく落すらんがごとく,ひたしろに白く,おもしろき事,世に又有るべしとも覚えず」とある(後風土記)。華厳の滝・那智の滝とともに古くから日本三大名瀑といわれ,昭和2年天然記念物に指定,白山国立公園に属するが,同38年大白川ダムの完成,大白水谷・小白水谷の白水湖への導水に伴い水のない滝となった。夏季の観光シーズンには毎秒0.6tの放水をするが,周囲が絶壁のため滝壺へは下れず,150m離れた対岸から眺めるのみ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7106608