温見峠
【ぬくみとうげ】
本巣郡根尾村大河原と福井県大野市温見との県境にある峠。能郷白山(のうごはくさん)と高台山の間の大河原断層の通る鞍部で標高1,019m。東方4kmの蠅帽子(はいぼうし)峠とともに美濃(根尾川流域)~越前間の主要通路で,冬の積雪期に美濃に出稼ぎに来る越前人の往復に利用された。昭和に入り,峠道が国道157号に昇格して自動車が通れるように改修されたが,豪雨・積雪で通行止めになることも多い。現在の根尾・藤橋両村の村域は南北朝期に越前南部の勢力下に属したこともあって,福井県鯖江(さばえ)市の浄土真宗誠照寺系の檀家が多く,本山の使僧(夏のお廻りさん)の巡回路にあたっていた。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7107872 |