根尾滝
【ねおのたき】

嶺峡(ねお)滝とも書く（後風土記）。益田(ました)郡小坂(おさか)町落合にある濁河(にごりご)川（小坂川の支流）にかかる滝。御岳(おんたけ)山３合目付近，御岳火山群摩利支天(まりしてん)第六溶岩流に位置し，幅約5m・直下約63m。「宛然一大氷柱を観るが如く，付近風起り水烟濛々咫尺を弁ぜざるの裏，轟々たる水音は天地を震動せしめ，雄大森厳の気人に逼る」（益田郡誌）。溶岩原を隔てて南方の兵衛(ひようえ)谷に曲滝がある。摩利支天第六溶岩流の濁河川に流下したものは輝石安山岩で，延長17kmに達する。その末端，支流の椹(さわら)谷との合流点にみごとな柱状節理を露出し，巌立(がんたと)（県指定天然記念物）の奇勝をなす。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7107880