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馬瀬川
【まぜがわ】


飛騨川(益田(ました)川)第一の支流。大野郡清見村楢谷(ならだに)字麦島北方の西ウレ峠に源を発し,益田郡金山(かなやま)町金山地区で飛騨川に合流する。延長67km。馬瀬山脈と和良(わら)山脈の間をほぼ南流する。上流から飛騨変成岩類に属する麦島片麻岩や古代デボン紀の清見層群やその周囲の流紋岩・安山岩・石英斑岩地域,濃飛流紋岩地域,秩父古生層地域を流れる。最上流の清見村では麦島・楢谷・大原(おつぱら)などで,小平地に集落や耕地を発達させているほかは,峡谷を作って流れ,大原で極端な屈曲を見たのち,小原(おばら)川を合流し馬瀬村に入る。馬瀬村内では約30kmの間,東西にある1,000m内外の山地間に500m内外の河谷平野を作って流れ,支流はほとんど見られない。馬瀬川には,昭和52年3月完成した岩屋のロックフィルダム(堤高127.5m・堤長366m・貯水量1億5,000万t)が金山町卯ノ原(うのはら)地区にあって,人造湖は標高約400mの馬瀬本流沿いの馬瀬村西村南と支流弓掛(ゆみかけ)川沿いの金山町中平まで湛水し,最大出力28万8,000kwの発電所ができて,付近の景観に大きな変化を与えた。岩屋ダム湖(東仙峡・金山湖)を通過した馬瀬川は祖師野(そしの)~岩瀬間で和良(わら)川を合わせ,さらに戸部で戸川を合流する。集落は馬瀬川に沿った河谷平野や段丘上に点在する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7108680