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養老の滝
【ようろうのたき】


養老郡養老町の滝谷にかかる滝。養老山脈東限の養老断層の急斜面に滝谷の作った扇状地の扇頂部に位置し,標高280m・高さ約30m。「霊亀3年元正天皇美濃に行幸,多度山の美泉を見て養老と改元」(続日本紀)したのに伴い,多度山といった付近一帯が養老と呼ばれるようになり,翌養老2年の元正天皇の再度の行幸,天平12年の聖武天皇の行幸などがあって天下に知られる。「十訓抄」「古今著聞集」の伝える源丞内の孝子伝説が伝わり,元正天皇の行幸となったという(養老町史)。この扇状地は平野に望む高燥地で古くから文化が開け,奈良期には伊勢街道沿いに多芸七坊と称した寺院が相次いで建立された。滝の近くの養老寺もその1つで,織田信長に焼かれたが,慶長12年高須藩主徳永寿昌により再建され,多数の重要美術品を蔵す。大正初年に現在の近鉄養老線が開通してから観光地として発展,揖斐関ケ原養老国定公園に属す。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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