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青野川
【あおのがわ】


手石川ともいう。南伊豆を流れる2級河川。蛇石(じやいし)火山に源を発し,賀茂郡南伊豆町域をほぼ南東に流れ,手石湾に注ぐ。流長17.2km・流域面積72.3km(^2)。主な支流には左岸側から流入する奥山川・一条川・鯉名(こいな)川,右岸側から流入する二条川などがある。伊豆半島の河川としては勾配が緩く,中・下流沿いには狭いながらも沖積低地の発達がよい。この沖積低地の前縁には弓状の弧を描く弓ケ浜の砂浜海岸があって,夏季は海水浴客でにぎわう。河口の手石港は帆船時代は風待ちの避難港であったが,現在は地方港湾となり,漁港として利用されるほか,レジャーボートの係留も多い。下賀茂温泉はこの川の中流低地の水田地帯から湧き出すもので,温泉として利用のほか,メロン・切花の温室栽培,熱帯植物園,厚生省薬用試験場などにも利用されている。手石の名の起こりについては,「この地に手石といふ石あり,昔魔女石に手形を印し残せり故に地名とす」(県大正風土記)という説があり,また他方,アイヌ語起源説では,手石は「光る所」であって,手石の南にある弥陀山の先端に弥陀窟と称する海食洞穴があり,窟の奥に光がさしこんで岩影あたかも三尊仏のいますが如くといわれるため,これを「光る所」と命名したのであろう(ふるさと百話)とする説もある。なおこの手石の弥陀の岩屋は,昭和9年に国の天然記念物に指定されている。




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「角川日本地名大辞典」
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