100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

赤水の滝
【あかみずのたき】


安倍川上流,梅ケ島温泉下流5kmの静岡市赤水にある落差60mの3段の滝。八紘嶺(はつこうれい)・安倍峠に源を発する安倍川の本流にかかり,水量が多く勇壮な滝である。安倍川上流は,多雨地域でしかも地層は崩れやすく複雑である。降雨後は,安倍川の水量も増し,色も茶褐色となり,遠くから見ると赤く見えるため赤水の滝といわれる。安倍川は急流で水量が多く,典型的な直線型河川であるため浸食が激しい。安倍川上流は,V字型の渓谷をなしているが,16世紀頃から始まった大谷崩(おおやくずれ)の崩壊で,多量の土砂を下流に押し流し,赤水一帯まで埋めつくしたといわれる。のち安倍川の激しい浸食で,この土砂が取り除かれ現在見る滝が誕生した。当地の伝えによれば,この赤水の滝が作り出されたのが明治20年頃という。赤水付近の安倍川は川幅が最も狭いところで,浸食で露出した岩間を流れ落ちるため豪快さを見せている。上流に梅ケ島温泉・日影沢(ひかげざわ)金山跡・安倍の大滝や,わが国三大崩れに数えられる大谷崩があって,家族連れのハイキングに適している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7109459