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伊佐布北滝
【いさぶきただき】


一般に伊佐布の滝ともいい,古くは黄竜(おうりゆう)の滝と呼ばれた。清水市北方の旧庵原(いはら)村伊佐布にある滝で,市内では最大の規模のもの。「滝の高さ三丈,滝幅一間余」(庵原村誌)のこの滝は,伊佐布地区の北,伊佐布山の山峡にあるため,伊佐布北滝と呼ばれる。滝の北側に不動尊が安置されており,庵原の平四郎がこの滝の水泡を見て大悟したと伝えられる以外は,確かな伝説はない。江戸末期,地元出身の漢詩人である山梨稲川(とうせん)の七言絶句「遊黄竜湫値雨」の詩碑が滝の前にある。「黄滝湫上黄雲舞 千尺奔泉天半吐 我酔黄竜湫上来 黄竜吟処起風雨」と歌われるように,黄竜が天に昇っているかのように,滝が天から落ちる様は,周囲の自然とも調和し,豪快な景観を見せている。稲川の詩碑は,昭和36年伊佐布北滝が清水八景に選定されたのを記念して建立。同37年市の名勝に指定された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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