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興津川
【おきつがわ】


2級河川。浦田川ともいう。清水市と山梨県南巨摩(みなみこま)郡富沢町との境をなす田代峠に源を発し,清水市の北・東部を占める庵原(いはら)山地(興津川山地)内を南流ないし南東流し,興津の市街地東方で駿河(するが)湾に流入する。流長21.7km・流域面積121.6km(^2)。上流は糸魚川静岡構造線に並行する南北方向の断層に沿って南流しているが,西里から但沼(ただぬま)にかけては南東方向に向きを変えて横谷状の流れとなり,その間,南からくる布沢川と北からくる中河内川の両支流を合わせる。但沼では国道52号沿いに南流してくる支流の小河内川を合わせ,そこからは両岸に河岸段丘の発達があり,その間をほぼ南流して薩埵(さつた)山の南方で駿河湾に流入している。この川に東海道の橋が架けられたのは明治8年であり,江戸期には歩行渡りであった。国道52号沿いの興津・小島地区の谷底および山腹斜面は,清水市内では庵原地区に次ぐミカンの大産地であり,山頂部と上流の両河内(りようごうち)地区では茶園が広い。河口西方の興津は,東に薩埵峠,西に清見寺(せいけんじ)の山を控え,また興津川に沿う身延(みのぶ)街道(現国道52号)の起点として栄えた東海道の旧宿場町であり,国鉄東海道本線開通後は温和な気候とすぐれた風光とによって保養地ともなり,西園寺公望らが別荘を営んだ。興津川はまたアユ釣りの好漁場としてもしられている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7110452