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音止の滝
【おとどめのたき】


別名音無(おとなし)の滝ともいう。富士宮市白糸にあり,富士川の支流,天子ケ岳(てんしがたけ)に源を発する芝川にかかる落差20mの滝。滝の名は,曽我兄弟仇討の伝説によるといわれている。曽我兄弟がこの滝のほとりで,工藤祐経(くどうすけつね)を討つ相談をしていたが,滝の音で話ができないことを嘆いたところ,水神が現れ,一時滝の音を静めたという伝説に基づく。音止の滝から西200mのところにある白糸の滝は,富士山や芝川本流の伏流水が不透水層である古富士泥流層と新富士溶岩との間から白い絹糸のように垂れ落ちる女性的な繊細さを感じさせるが,音止の滝は,芝川本流がそのまま約20m落下するために水量が豊富で男性的な豪壮さを見せている。白糸の滝と同様,富士山西麓の名勝地であり,近くに田貫(たぬき)湖や朝霧高原などの観光地を控え,表富士周遊道路・富士宮道路の開通で観光客は著しく増加した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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