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駒門風穴
【こまかどふうけつ】


富士山東南麓の御殿場市駒門にある富士火山の溶岩洞穴(風穴)。火山国日本の中でも溶岩洞穴は,富士山麓周辺を除いて,長崎県福江島と伊豆八丈島だけに見られる数少ないものである。富士山周辺には,特に集中し,確認されているものだけで80を数える。未発見のものがかなりあると推定される。溶岩洞穴は,洞穴内の空気が地下水によって冷やされ下降気流となって吹き出されるため風穴とも呼ばれる。駒門風穴は,県内では4番目の規模の大きさをもち,本穴291m・枝穴110mに達する。この風穴内では,年間平均14℃の気温を保っているため,洞内に生息する動物も数種類のコウモリのほか,目が退化した洞穴昆虫が確認され,生物学上貴重なものとして,大正11年国の天然記念物の指定を受けた。風穴は溶岩の流れ出したときに生じた洞穴で,天井はアーチ型を示し,床面は二次溶岩流が流れたため平坦である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7111517