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志太の浦
【しだのうら】


奈良期に見える海岸名。駿河(するが)国志太(しだ)郡のうち。「万葉集」譬喩の部に「志太の浦を朝漕ぐ船はよし無しに漕ぐらめかもよよしこさるらめ」という歌があり,この志太の浦を駿河の海岸とする。また,駿河舞の5段目などにも「志田江」などとあって,かなり有名なところであったことがわかる。古く「駿国雑志」などで,「大津郷の浜より葦原郷(今の前島)を古は志太浦と惣名を唱へしにや」とあるように,島田市のほうまで駿河湾が奥深く湾入していた時代の志太郡の海岸線を詠んだものと考えられる。大井川の河口であるが,現在の河口とはだいぶ異なる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7111882