100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

二俣川
【ふたまたがわ】


天竜川の1支流。天竜川と周智(しゆうち)郡春野町の境界の山地に源を発する横川と,周智郡春野町と森町の境界の山地に源を発する百古里(すがり)川が天竜市只来で合流して二俣川となり,天竜市阿蔵(あくら)で天竜川に合流する。流長20.3km・流域面積47.5km(^2)。以前は天竜市二俣町の南にある鳥羽山によって流路がまげられていたため南から西へ流れを転じ,鳥羽山と城山の間を流れ,天竜市河口で天竜川へ流れ込んでいた。しかし,天竜川の水が逆流して市街地に水害が多かったため,江戸期の改修工事により,鳥羽山にトンネルを掘り新水路を開いたが,その後切り崩して堀割とし,現地点で天竜川と合流することとなった。流域は四万十層群の砂岩・頁岩からなり,スギ・ヒノキの美林と茶園の広がる低山地の間を小曲流しながら下っている。河口付近には,天正3年徳川家康が武田勢を追って天竜川を渡り,二俣城を攻めた時に本陣を置いたと伝えられる鳥羽山が公園としてあり,その北500m程のところには,徳川氏と武田氏の争いに関わる二俣城跡がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7114044