100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

弁天島
【べんてんじま】


県西部,浜名湖南部に位置する島。現在,広義には弁天島・新弁天・乙女園・渚園・観月園・日出島・千鳥園・蓬莱園の総称名。弁天島は,明応7年の大地震による津波のため,舞阪北部の大石ケ崎の砂州が切り離され狐島をはじめ4島が形成されたといわれる。近世には,4つの寄州状の島に松林があって,東海道の今切の渡船(新居~舞阪)の防風林として利用された。宝永4年(1707),狐島に弁財天の小祠が建てられて,弁天島と称されるようになったという。この砂堆状の弁天島に,渡航路にあたる今切の漂砂を浚渫した土砂を捨てたため,島は拡大されていった。明治14年に舞阪町から橋が架けられ,同20年代から海水浴場や保養地として開発がはじまり,同39年国鉄東海道本線仮停車場設置,大正5年に定設駅となって観光化が進んだ。昭和初期には4つの埋立島もできた。昭和35年,弁天島に温泉が開湯された。弁天島温泉は,泉温20℃の含塩化土類弱食塩泉でナトリウム・カルシウムイオンに富み,リューマチ・運動機能障害に効くといわれ,ホテル・旅館25軒余があり,収容人員約1,300人。宿泊客は年間約20万人といわれ,四季を通じて観光・保養に適し,熱帯性植物を生育する海浜公園などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7114128