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由比川
【ゆいがわ】


庵原(いはら)郡由比町・富士川町,富士川郡芝川町の3町の境界付近の山地に源を発し,由比町域を南流して駿河(するが)湾に注ぐ2級河川。流長4.8km・流域面積18.2km(^2)。源流は大代(大城)・かぎあな(桑木穴・鍵穴・香木穴)付近の鷺ノ田(さぎのた)礫層からなる丘陵性の山地内にあり,中流部の室野(むろの)で西北方の桜野方面からくる支流の桜の沢川を合わせる。ほぼ南北方向をとる本流は,入山断層の破砕帯を浸食してできた谷で,西側の浜石岳累層(新第三系)からなる山地と,東側の鷺ノ田礫層・蒲原(かんばら)礫層(ともに洪積層)などからなる丘陵性の山地との境界をなしている。このためこの川の流域には,入山断層の破砕帯に沿う地滑り地形や,礫層の崩壊地形が数多く分布する。また河谷沿いには小規模ながら数段の河岸段丘が発達していて,室野・東山寺・阿僧(あそう)などの集落がその上にのっている。河谷沿いの斜面にはミカン・ビワ園が広く分布し,河口の沿岸はサクラエビの本場としてしられる。西方の浜石岳は展望のよいハイキングコースとしてにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7114880