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闇苅渓谷
【くらがりけいこく】


額田(ぬかた)郡額田町牧原,男(おと)川上流にある渓谷。本宮山の北西斜面にあたり,本宮山県立自然公園の一部。周辺の森林は闇苅渓谷天然林と呼ばれ,スギが大部分を占め,一部にヒノキが混ざる造林地で原始林はないが,山頂付近と谷沿いには原始的林相が残る。この地域は降水量が多く,領家変成岩類からなる地質も肥沃なため,植物の生長が早い。谷筋にはカシ林が発達し,コナラ・イタヤカエデなどが混入する。ユクノキ・チドリノキ・ネムノキなどの老木が多く,タマアジサイ・コアジサイが群生する。岩地にはシシラン・ヒトツバが群落をなし,渓谷の湿った岩にはウチワダイモンジソウ・ヒメレンゲ・イワタバコが多い。渓谷は新緑・紅葉の名所で,夏は涼を求め鱒釣りを楽しむ人でにぎわう。一帯は野生動物の生息地で,県営本宮山ロッジやキャンプ場もあり,本宮山を含めた観光ルートの一拠点となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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