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中島郡南条
【なかしまぐんなんじょう】


旧国名:尾張

(中世)平安末期~南北朝期に見える広域地名。尾張国のうち。尾張国衙所在地(稲沢市松下)をほぼ境にして中島郡の南半分をさす。長寛元年10月27日の尾張国留守所下文案に「留守所下 中島郡南条司」とあり,尾張守平重衡下文をうけて佐伯遠長の熱田社領鈴置村の領掌を伝えている(白描五智如来図録裏文書/平遺補104)。弘安5年7月日の浄金剛院領田畠坪付注進状に中島郡南条として草部・三宅・石作3郷が見える(醍醐寺文書3/大日古)。草部郷は郡の南東部にあり北で北条河崎郷と隣接していたと思われる。三宅郷は草部郷の西にあり北で北条尾塞郷と隣接していたと思われる。石作郷は海東中荘のうちで郡の南端にあり,南は海東郡に隣接し,近世海東郡に編入された現在の甚目寺(じもくじ)町・美和町の北部も含む。その他,南条のうちに「中島郡南条堤田御庄松野村」(七寺一切経奥書/七寺一切経目録)なども見える。延文2年7月4日刑部左衛門時末は熱田社神官常陸修理介に「南条三宅郷中池里三十坪」田地8反を安堵している(張州雑志巻35/熱田神宮史料)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7121111