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長良川
【ながらがわ】


岐阜県北西部の福井県境に近い大日岳に発し,岐阜県のほぼ中央部を南流し,同県海津町から下流では瀬割堤によって木曽川の西を並流して愛知・岐阜の県境をなし,三重県桑名市で揖斐川を合流して伊勢湾に注ぐ。1級河川。流長158km・流域面積1,958km(^2)。古来木曽三川と称された長良川・木曽川・揖斐川は,下流部で網状に連なりながら流下し,しばしば水害を起こしたため,耕地と集落を堤防でかこむ輪中が形成された。宝暦3年幕府は3川分流を骨子とした治水工事を薩摩藩に実施させたが,現在の流路に固定されたのは明治20~45年に行われた明治改修による。長良川上流域は年降水量3,000mm以上のところもあり,年総流出量41億8,048万m(^3)(昭和14~59年岐阜県墨俣町墨俣地点における平均)と水量は豊かだが,ダム建設の適地は少ない。利水面では農業用水の比重が大きいが,昭和43年に着手された木曽川水系水資源開発基本計画に基づく長良川河口堰事業が完成すると,毎秒22.5m(^3)の都市用水が濃尾・北伊勢地域に供給される。水質はきわめて良好で,特にSS(浮遊物質)濃度が非常に低いが,下流部では,岐阜県岐阜市・羽島市などの都市排水によって汚濁された支流の流入のため,本流の水質が影響を受けている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7121325