100辞書・辞典一括検索

JLogos

8

山崎川
【やまざきがわ】


名古屋市千種(ちくさ)区猫ケ洞池を水源とし,同市昭和・瑞穂・南の3区を西南に流れ,名古屋港に注ぐ。2級河川。流長12.04km・流域面積28.2km(^2)。かつては,上流を石川,伊勝村を経て川名村(現昭和区)までを川名川(川菜・河菜・河名とも書く),山崎村(現南区)あたりから山崎川と呼ばれていた(名古屋市史)。山崎川の名は,「尾張志」に「山崎村にあり,是,石川の下流にて,山崎より……道徳新田などを経て海に入る」とあるように,山崎村を流れることにちなむ。江戸期以後,流域で新田開発が進められ,山崎川からの用水路も整備された。大正13年山崎川運河の計画が認可され,昭和12年から新瑞橋より下流の運河化とその上流左右田橋までの改修事業に着手したが第2次大戦で中断。戦後,伊勢湾台風後の堤防工事,宅地化の進展に対応した上流の護岸改修と浚渫などを行い,昭和48~53年には猫ケ洞池~本山(千種区)間が暗渠化され,同54年には山崎川への導水が始まった。この結果,川は浄化され清流を取り戻している。石川橋から瑞穂運動場まで約1.2kmの山崎川沿岸は,市内有数の桜の名所。桜は,石川橋から石川大橋あたりまでは昭和3年,それ以南は戦後に植えられた。中流にある檀渓は,江戸期の名古屋城下東部随一の名勝で(尾張名所図会),檀渓和尚がこの地に住んでいたことに由来し,現在も檀渓通の地名を残す。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7124347