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安濃川
【あのうがわ】


鈴鹿山脈の錫杖ケ岳(しやくじようがたけ)付近に源を発し,安芸(あげ)郡芸濃町河内,雲林院(うじい)を流れ,南下して安濃町粟加(おうか)を通り津市に入り,穴倉川・美濃屋川と合流して東に流れ伊勢湾に注ぐ。2級河川。津市内では塔世(とうせ)川ともいう。流長28.9km。安濃は古代からの地名で,由来については諸説あるが,「勢陽五鈴遺響」によれば,阿(美しい)野から出たという。また,同書には「安濃川,本邑(安濃郡)の西を流れて東へ至る大河なり。水源は同郡河内谷より雲林院にて美濃夜川と称す。萩野(はいの)に至りはいの川と云,安濃にてあの川或県川と伊勢風土記に旧名を称せり」とあり,古来地域によりいろいろな呼称があったらしい。流域は安濃平野から伊勢平野に至る農村地帯で,古くは神領が多く,神宮への納米所であった所から納所(のうそ)・神納(かのう)などの町名が残る。また納所遺跡は県下有数の弥生時代の集落遺跡として知られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7124950