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一之瀬川
【いちのせかわ】


宮川の支流。度会(わたらい)郡度会町一之瀬の七洞(ななほら)岳(778m)に源を発し,旧一之瀬村・小川郷村を北流し同町川口で宮川に注ぐ。1級河川。流長14.3km。上流は,山に囲まれた小盆地で,古くは一瀬御薗(みその)(神鳳鈔)といわれ神宮領であった地。同地には神宮の御用材を切り出した山があり,今も御杣(みそま)という地名が残る。南北朝期,南朝の北畠に組した伊勢の守護愛洲氏の居城一之瀬城があった。付近には,狭間瀬(はざまぜ)・猪子瀬(いのこぜ)・一之瀬沖・四良ケ瀬(しろがせ)・五良ケ瀬(ごろがせ)などの字名があり,瀬の多い土地で上流一帯の地を総じて一之瀬谷と名づけたという(勢陽五鈴遺響)。かつて,中流の駒ケ野(旧小川郷村)から,米・野菜・薪炭などを積んで伊勢方面に下った鵜飼船と呼ばれた川船があったが,昭和初期頃姿を消した(度会町史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7125240