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風早池
【かざはやいけ】


久居市街北西にある池。堤長313m・堤高11.6m・貯水量50万2,000m(^3)・満水面積16.5ha・集水面積60ha・灌漑面積210ha。「度会正身神名帳再考証」に「風速の池の称は伊勢名所拾遺和歌集に加佐波夜の国の名あるに拠るべしという」(久居市史)と記され,「勢陽雑記」に「一志郡にては大きなる池也。竪十町程,横弐町程あり。この滴り……相川という。国俗の歌に,風早の池の流れを尋てぞ安濃と一志の境をぞしる」とある。歴史は古く,室町末期には灌漑用水池として用いられていた。江戸期に2度拡張,大正期に2度改修,昭和39年には大改修が始まり同42年に完成した。池には昔はよく堤防が切れたので人柱を入れることになり,朝一番にここを通った人と決め,そこへ何も知らない一人の笠をつけた巡礼(一説に尼僧とも)が通ったので人柱とし,堤防の守り神としたという伝説がある(久居市史)。周辺の丘陵に多くの古墳や弥生遺跡がある。南西部に水を支配する稲田の神の風早大明神を祀る敏太神社がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7125957