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神前湾
【かみざきわん】


度会(わたらい)郡南島町にあり,熊野灘に面したリアス式の海湾。伊勢志摩国立公園の一部。紀伊山地の山々が沈水して多くの支湾(浦)をもち,湾岸に海跡湖や陸繋砂州がみられる。入江は波静かで,大敷網漁やハマチ・マダイなどの養殖が盛ん。湾頭の神前浦が町の中心地。当湾一帯は,古代,吉津の御庄と呼ばれ伊勢神宮の御厨で,奈津という地に仙宮院・神宮寺があった(志摩国旧地考)。このことから神前の名がついたものであろう。吉津港は漁港であるとともに背後の山で採掘される石灰石の積出港。湾奥の低地は,三方を山に囲まれ交通不便な地であったが,近年,国道260号の改修工事で4つの隧道(南島トンネルなど)ができた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7126104