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西行谷
【さいぎょうだに】


伊勢市宇治浦田町,県営陸上競技場の南方岩井田山麓にある谷。伊勢志摩スカイラインの登り口道路下に西行谷と彫った記念碑がある。他に二見町にも同名の谷がある。平安末期の歌人西行法師が,一時この谷に庵をむすび,歌道を奨励し,御裳濯(みもすそ)川歌合や宮川歌合などを撰集したという(神都百物語)。のちにこの庵は神照寺と号し,西行の妻など尼僧の隠棲するところとなった(宇治山田市史)。貞享元年芭蕉はこの地を訪れ「いもあらふ女西行ならば歌よまん」の1句を残している(野ざらし紀行)。寺は明治4年の改革で寺門廃絶し跡形もない。この谷から北東へ約500mの山麓に僧行基開祖といわれる菩提山神宮寺や称往院の跡がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7126922