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七里御浜
【しちりみはま】


熊野市木本町から南牟婁(みなみむろ)郡御浜(みはま)町・紀宝町・鵜殿(うどの)村の熊野川河口に至る約25kmの浜。浜名は,時期は定かでないが,その距離が約7里あることにちなみ七里浜・七里三浜・七里御浜になったという。当浜に沿って国道42号(熊野街道)が走り,樹齢200~300年の松林や,広葉樹防風林が延々と続いている。紀伊名所図会によると,元和5年和歌山新宮城主水野重仲が紀州徳川頼宣に従って入国したとき,旧領遠州浜松から移植したといわれる。第2次大戦中松根油を採るために伐採されたり,松くい虫の被害を受けたが,現在でも井田の八丁松原・市木松原・有馬松原などはすばらしい。当浜には花崗岩や那智黒石が神川渓や熊野灘の水浪にもまれ,美しい小石になり,これが当浜に打ち上げられ独特な海浜美をなしている。この御浜小石は庭園の敷石や建築材料に,白那智石は神社の敷石として多く使用され,さらにアメリカにまで輸出され,ネクタイピン・ネックレス・カフスボタンなどの装身具にもされている。石拾いは県土木事務所の許可が必要で,毎日石拾いの婦人たちの姿が見られる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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