城の浜
【じょうのはま】

北牟婁(きたむろ)郡紀伊長島町の東にある直線状の砂浜海岸。昭和50年町教委の調査によれば，砂丘上に10個余の製塩ガマの跡があり，平安期のものとみられている。焙烙(ほうろく)の破片が多数出土。採草地として利用される程度であったが，明治初年長井覚兵衛が３町２反余の耕地を開拓。数軒あった農家は，熊野灘レクリエーション都市計画の開発により，立ち退いた。国道260号から県道を４km延長し，ホテル・プール・テニスコートなどが造られ，昭和55年に開業した。地名は，城があったため，という説もあるが，城の場所は不明である。また，「二郷神社古文書」に丈の浜とあり，一直線に延びる砂浜からという説もある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7127314