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瀬戸ケ淵
【せとがふち】


一志(いちし)郡白山町にある雲出(くもず)川の渓谷。家城(いえき)ラインの下流部300mをいう。淵名は所在地の小字名に由来するという。奇岩・怪石が突出し,両岸が迫り川幅を狭め,水の流れが悪く淵をなし奇勝を呈していた。古来名勝として知られ,アユを産し遊賞の客があった(伊勢名勝志)。寛文4年山中為綱が岩石を打ち砕いて川幅を広げ,流れをよくした。当地にまつわる伝説も多く,天智天皇の逆徒藤原千万が紀友雄に首を切られた地という(勢陽五鈴遺響)。この岸に笈懸(おいかけ)石があり,昔鎮徳聖人が能登から白山権現を背負って来てこの石におろした時,白鷺7羽7所に飛び去ったという(勢陽雑記)。また「三国地誌」は「日本書紀」の,こぶ湯の責任者の子武彦が斎王栲幡皇女を犯したという流言のため家城殺頭ケ淵に討たれたとの伝説の地を当地とし,その場所を飛落首(ひひくび)と名付けたと伝える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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