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中村川
【なかむらがわ】


雲出(くもず)川の支流。一志(いちし)郡嬉野(うれしの)町を北流する。流長25.4km。高須ノ峰(798m)に源を発し上小川を通り,小原で柚原(ゆのはら)川,合ケ野(ごうがの)で飯福田(いぶた)川,矢下(やおろし)で岩倉川を合わせ蛇行を繰り返しながら北流して,井之上を経て伊勢平野に入り,天花寺(てんげいじ)で駒返川を合わせ,宮古と中川との間を流れ,黒田で雲出川に注ぐ。1級河川。古くから須賀井・下之庄井など多くの井堰がつくられ,流域807.3haの水田の灌漑用水として利用されている。下流域の一志には古墳前期の壱師の君塚,宮古には斎宮恂子内親王の伝説をもつ忘れ井がある。「千載集」に「別れゆくみやこのかたの恋しきにいざむすびみん忘れ井の水」(斎宮甲斐)と詠まれている。上流域には白口峠を越えて下多気に至る道がある。中世伊勢国司北畠氏の出城址や関所址などが残っている。明治中期には冬期に筏流しもみられた。下流宮古付近の堤防の桜並木が美しい。支流の飯福田川流域に赤目一志峡県立自然公園の伊勢山上がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7128305