100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

能見坂
【のみざか】


野見坂とも書く。度会(わたらい)郡の南島町道方(みちかた)と度会町南中村との間にある坂。標高348m。峠名は四季折々の景色や野が坂の各所からよく見えることに由来する。当坂は「常に往来繁しく山田市中へ魚荷の出ること昼夜不絶」(伊勢参宮名所図会)とあり,往古から伊勢と南島をつなぐ重要な道路であった。坂は曲折が多く険路のため南島地方の開発に障害となっていた。明治23年県の補助で改修したが,時勢とともに路線の改修を要するに至り,大正15年10月着工。能見坂隧道390mを開削し,昭和3年7月に竣工した(能見坂道路改修工事記録)。開削時,道方峠付近に地層褶曲が露出し,同16年県天然記念物に指定。桜花の頃は眼下に広がる海岸の美しさとともに絶妙の景観となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7128599