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八手俣川
【はてまたがわ】


雲出(くもず)川の支流。一志(いちし)郡美杉村を流れる。流長25.1km。高見山地の庄司山(879.4m)に源を発し,丹生俣(にうのまた)・上多気・下多気・下之川を北流し竹原で雲出川に注ぐ。1級河川。川名は八つ手のように多く分流しているのにちなむ(美杉村史)。下多気より下流は蛇行が著しい。流域は中世伊勢国司北畠氏の本拠地で,左岸に北畠氏を祀る北畠神社があり,境内に北畠氏館跡庭園,すぐ西の山頂に霧山城址があり,国の名勝・史跡となっている。江戸期の末丹生俣から家城(いえき)までの川底の岩石を砕き筏流しがみられたが,明治中期に道路が改修されて衰退した(美杉村史)。大正11年に水路式の竹原発電所がつくられた(最大出力700kw・導水路延長3,228m・水圧管内径0.91m。取水口は脇ケ野地区)。昭和47年に雲出川総合開発の一環として君ケ野ダム(堤高73m・堤長323m,貯水池面積80haの重力式ダム)がつくられた。周辺には青少年旅行村宿泊施設レークサイド君ケ野や展望台・テニスコートなどがある。赤目一志峡県立自然公園のうち。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7128720