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岩根山
【いわねやま】


甲賀郡甲西(こうせい)町と蒲生(がもう)郡竜王町との町境にある細長い山。標高405.6m。西に菩提寺山(竜王山,353m),南に野洲(やす)川を望む。古くは石根山,別名甲賀山ともいった。全山花崗岩。和銅年間に12の僧房が建立されていたが,元亀2年兵火にあい,一宇を残し焼失。この山は古来から古戦場としてまた歌枕で,「ゆく末を思ふもひさし君が世は岩根の山の峰の若松」(長秋詠藻)と,君が世の堅固さに掛けて歌われた。元暦元年および嘉永元年の「注進風土記」ともにこれを記録しているし,鳥羽天皇の天仁元年に大嘗会悠紀に定められている。またこの山は古来より,東大寺・延暦寺・安土城等の建築用材の山として利用されたため,明治初年にははげ山と化した。明治16年,砂防工事が始められ現在の緑を取りもどした。山頂の十二坊の近くに,NHKはじめ多くのテレビ電波の自動中継局が設置されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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