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永源寺堰堤
【えいげんじえんてい】


神崎郡永源寺(えいげんじ)町大字相谷(あいだに)に位置し愛知(えち)川に建設された多目的ダム。農業用水の供給を主目的とする。国営愛知川灌漑排水事業として,昭和27年8月16日に事業所が開設され,ダムの定礎は昭和40年3月6日,完工および満水貯水は昭和51年12月28日。24年4か月という年月を要している。これは水没する永源寺町大字九居瀬(くいぜ)・佐目(さめ)・萱尾(かやお)の集落の用地買収問題解決に時間がかかったためである。堰堤の高さ73.5m・長さ392m,水深58m,貯水量2,274万m(^2)で,構造は重力式および土石混合堰堤の結合されたもの。ここで貯水された水は,大幹線(延長1,592m,支配面積7,582.5ha),愛知幹線(延長3,685m,支配面積3,779.9ha),愛知第1幹線(延長8,682m,支配面積2,004.8ha),愛知第2幹線(延長7,868m,支配面積1,744.2ha),神崎幹線(延長12,497m,支配面積3,784.6ha),蒲生(がもう)幹線(延長12,181m,支配面積1,457.5ha)の各幹線水路を通して用水不足地約6,980haの既成田用水を確保し,用水不足に悩み,揚水機による灌漑に頼り,水温低下による被害を受けていた地域の問題を解決した。揚水機を全廃させるとともに畑約220haの地目変更,平地林580haを開田がはかられた。水没地に含まれた発電所の電力確保のため年間発生電力量約2,093万1,000kw/hの新発電所が設置され,かつ愛知川筋の洪水防止の機能も果たしている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7130801