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逢坂山
【おうさかやま】


相坂・合坂とも書き,関山(せきやま)ともいう。京都市と大津市の境界の山。標高325m。北は比叡・比良の山並みに,南は音羽山に連なる鞍部をなす。山の南を国道1号・名神高速道路・京阪電鉄京津線が通る。また山下に東海道本線逢坂山トンネルがある。名の起こりとして「日本書紀」には,神功皇后が武内宿禰に忍熊王を討伐させた時,忍熊王を追った彼はこの地であったからだとしている。以後「万葉集」にも詠じられている。平安期の三関の1つであった逢坂関が設けられたのもこの地であるように交通の要衝であったが,また畿内と畿外の境界にあたっていた。「日本書紀」によると畿内の北境として「狭狭波の合坂山」が大化2年に定められたとあるのがそのことを示す早いものである。しかし実際はこの時ではなく天武朝頃だと推測されている。逢坂関にちなんでは,関の神がこの山の南北に2つ祀られ,また平安・鎌倉期には関寺もこの関付近に存在していたことが知られている。またその名の意味から「逢う」の懸詞としてしばしば歌い込まれているが,とりわけ清少納言・蝉丸の和歌は広く人口に膾炙されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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