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御斎峠
【おときとうげ】


甲賀郡信楽(しがらき)町大字多羅尾(たらお)と三重県上野市西山町との境にある峠。御斎のほかに御伽・於登岐・於(御)土岐・音聞などとも書く。標高580m。峠名は夢想国師が伊賀三国の空鉢山寺へ飛錫の時,この峠で村人の饗応を受けたので御斎峠と名づけられたという(三国地誌)。壬申の乱のとき大海人皇子が伊賀からこの峠を越え多羅尾に入った。また,天正10年の本能寺の変の直後,徳川家康は,瀬田城主山岡3兄弟や多羅尾氏の警衛によりこの峠を越えている。維新前一茶店があったというが,今その跡はない。峠近くの旧道沿いに,甲賀三郎にまつわる十三塚跡があり,またその跡に代官所の刑場があった。今は杉林の中に二基の供養塔が建てられている。現在,この峠を通る県道長野上野線も整備され,信楽から上野への時間的距離は短縮された。ここから上野盆地,さらに遠く奈良の山々も眺望できる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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