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勝野の浜
【かちぬのはま】


高島郡高島町大字勝野(かつの)の浜名。「延喜式」によると,若狭からの物資は,湖西の勝野津から湖上を大津へ運送された。重要な津であるとともにその浜は古来歌名所として多くの人々に詠まれた。「大御船泊ててもさもらふ高島の三尾(みお)の勝野(かちの)の渚し思ほゆ」(万葉集)。元暦元年9月の「近江国注進風土記」にも近江の名どころとして「勝野浜」が見えている(山槐記)。なお,この近辺は天平宝字8年9月の恵美押勝の乱の戦場となった(続日本紀)。「竹生島縁起」には,「天皇兵衆,衣高島評勝野浜,合力相戦,中臣兵敗乗船浮海指東而逃……急出東風,吹返中臣之舟令着高島之浜,爰将軍涼太,遂得中臣首」とある(東浅井郡志4)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7131430