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繖山
【きぬがさやま】


神崎郡五個荘(ごかしよう)町,能登川町と蒲生(がもう)郡安土(あづち)町との境にある山。標高432m。山容が絹を覆ったようにゆったりとした円錐形であるところからこの名が付いた。観音寺山ともいう。山腹には近江源氏の嫡流である近江国守護職佐々木六角氏の居城観音寺城跡,西国三十二番札所観音正寺があることにちなむ。観音正寺は奈良期前に築造されたものであるが,鎌倉期以降の文献にはでてくる。佐々木氏は城として何回も改造し,永禄11年織田信長のため落城するまで約100年間,近江支配の要地であった。信長は安土城築城までしばらくの間,この観音寺山に居城したという。昭和41年,文化庁の発掘調査で全山各所で礎石・側溝・石段・石垣・井戸などの遺構が確認され,その規模と内容は全国屈指の山城である。山麓には瓢箪山(ひようたんやま)古墳をはじめ多くの古墳群や石寺・桑実(くわのみ)寺・石馬(せきば)寺など中世史料にみられる寺院があり,西山麓に県立「近江風土記の丘」資料館がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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