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己高山
【こだかみやま】


伊香(いか)郡木之本(きのもと)町木之本の東約6km,東浅井郡浅井町との境界にある山。標高923.1m。小高見山とも書き,「こたかやま」ともいう。源頼綱に「ころもでに余呉の浦風さえざえて己高山に雪ふりにけり」(金葉集)の歌がある。「興福寺官務牒疏」「大日本国近江国伊香郡己高山縁起書」に行基菩薩開基と記されている法華寺・石道寺・観音寺など己高山7か寺が,山頂から高時川河畔の山麓にかけて建立され,修験道的な山岳仏教の聖地として平安初期より栄えてきた。中世以降,浄土真宗の隆盛の中で次第に衰え,特に明治維新における廃仏毀釈によりかつての姿を消した。しかし己高仏教文化を代表する十一面観音(重文,藤原期)薬師如来(重文,貞観期)十二神将(重文,天平期)など多数の仏像は,山麓の古橋(ふるはし)にある与志漏神社境内の己高閣に収蔵されている。また己高山の山頂から山腹にかけ,鶏足寺・法華寺・石道寺などの寺院跡を示す礎石や石段,池などが残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7132286