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佐和山
【さわやま】


沢山とも書く(輿地志略)。彦根市北部,彦根市街の北東方にある標高232.9mの山。中世北および西は入江内湖,松原内湖が迫り,東方霊仙(りようぜん)山地との間の低地を中山道が通り,湖東地方から北陸・東国へ至る通路を扼した要害の地であった。そのため磯野丹波守盛量がこの地に砦を築き,ついで丹波長秀・堀秀政・堀尾吉晴をへて天正18年石田三成の居地となった。関ケ原の戦で城は落城し,慶長6年井伊直政が封ぜられたが,井伊氏は彦根山に築城して元和8年移転したので廃城となった。彦根城下町建設時に,山の南側に切通し坂が開かれ,彦根から中山道の鳥居本(とりいもと)に出る道(朝鮮人街道)がつくられたが,ここを現国道8号が隧道で抜けている。山麓には元禄9年井伊氏が設けた大洞弁財天堂があり,山地一帯には旧城郭の遺跡が残されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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