塩池
【しおのいけ】

甲賀郡甲南町大字塩野にある池。約４m四方。「輿地志略」に自然に潮が噴出し，これを汲んで沸かして浴用に使用すると万病が治癒するという。塩野という地名はこの池に由来する。弘法大師がこの村に塩がなく住人が困っているのを見て塩を池から出したという伝説がある。また「輿地志略」中の引用に「本草綱目」，五雑俎にもこのたぐいの塩池のあることが見える。滋賀県伊賀郡菅並洞寿院の山号を塩谷山という。現在甲南町大字塩野には鉱泉があり，塩野温泉として数軒が営業している。「輿地志略」にいう塩池がこの鉱泉と同一か否かについては不明。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7132585