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信楽山地
【しがらきさんち】


琵琶(びわ)湖の南方に位置し,南北約20km・東西約35kmの地塊山地。信楽高原とも呼ばれる。また山地のうち北部地域は田上(たなかみ)山地と通称され,裸岩地が多いため「湖南アルプス」とも呼ばれている。山地の北側は瀬田丘陵をはさんで近江盆地に接し,東は野洲(やす)川の左岸にせまる。南は伊賀上野盆地の北を限る島ケ原(しまがはら)断層崖で境し,さらに西方は京都府の鷲峰山(じゆぶさん)(681m)山地に接している。地質はほとんど花崗岩からなり長石やアプライトの岩脈が発達しており,良質の陶土となるため,古来「信楽焼」の原料として盛んに採掘されてきた。山地には太神山(おおかみやま)(600m)・矢筈ケ岳(やはずがだけ)(561m)・笠間ケ岳(かさまがたけ)(433m)・堂山(どうやま)(384m)等が位置し,山中には600mおよび400m前後の2面の浸食平坦面が発達している。代表的な河川には山地南端の多羅尾(たらお)付近から花崗岩地域を北流する大戸(だいと)川と茶の産地朝宮(あさみや)付近から山地の南西側を流下してくる信楽川とがあるが,信楽川が蛇行し河岸段丘を発達させているのに対し,大戸川は直線状の構造線谷である点できわめて対照的である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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