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磨針峠
【すりはりとうげ】


彦根市中山町摺針(すりはり)の旧中山道の峠。旧中山道の宿場鳥居本(とりいもと)の北はずれに登り口がある。国道8号から東に折れ,急坂を登ると摺針の集落がある。峠の名は昔,修学の士が学半ばで自分の才能をあきらめ,帰国する途中,針を作るため斧を磨いでいた老翁に会い,自分の短慮を反省して引き返したという故事にちなむ。修学の士とは弘法大師といわれ,大師は神霊が自分に悟りを与えてくれたものと感じ,「道はなほ学ぶることの難からむ斧を針とせし人もこそあれ」という一首を詠み,記念に杉の若木を植えて神霊を祀ったという。これが峠に鎮座する磨針明神で,手植の杉と伝える大樹がある。新道の上に細い旧道が残っており,望湖亭という昔の峠茶屋があり,ここからの眺望は中山道第一の評がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7133136