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茶屋谷
【ちゃやだに】


茶屋谷川ともいう。砂防用河川。水源は饗庭野(あえばの)台地にあり,高島郡安曇川(あどがわ)町上古賀(かみこが)地区を南流して安曇川に注いでいる。流長は1.4km。土地では「チャガタニ」とか「チャンタニ」ともよび,周辺谷川の中でも最も利用度が高く,古くから飲料水・防火用水となっていた。上流からの土砂の流出は激しく,天井川となるため大雨などによる被害にはつねに悩まされていた。昔から,この安曇川下流から若狭へ抜けるために,饗庭野台地へ上って追分(おいわけ)に通じる谷としては8つほどあったが,この谷が一番安全でありよく利用され,特に生鮮魚商人が小浜(おばま)からの魚を担って往来した。住民がホトラや肥料草取りに入会地の饗庭野へ行く道としても最近まで盛んに利用された。なおこの上古賀部落は,戸数170~180戸ほどであるが,江戸期は若狭小浜藩の飛地でもあり,この通路の重要点でもあった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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