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栃ノ木峠
【とちのきとうげ】


伊香(いか)郡余呉(よご)町中河内(なかのかわち)の北4km,滋賀・福井県境の峠。海抜537m。国道365号(旧北国街道)が通過。峠の頂上に栃の大木があり地名となった。湖北平野を潤す高時川の水源。「源平盛衰記」に,木曽義仲の通行(寿永2年)を記しており,すでに中世にこの峠は開かれていたようであるが,天正3年,柴田勝家が近江への軍道として峠付近の改修を行って以来,越前と近江を結ぶ最短路として一般に利用されるようになり,江戸期には,北陸の諸大名の参勤交代道でもあった。北国街道の宿場町,板取(いたどり)(虎杖)と中河内の間に位置する栃ノ木峠には茶屋が設けられ,峠を越える旅人でにぎわった。峠の茶屋の廃屋が栃の大木の傍らに残っている。峠付近は,日本有数の豪雪地帯で,積雪3mを越え,冬期の交通はしばしば途絶する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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