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野路の玉川
【のじのたまがわ】


東海道の野路宿の近くにあった小池。「日本六玉川」の1つにあげられる萩の名所。一名「萩の玉川」とも称された。野路宿は鎌倉期に東海道の宿駅として栄えた所で「輿地志略」に「二間に三間許の小池なり,往還大路の西端なり,野路の玉川是也」とあり,歌枕として古くから歌や紀行文にその名を留めた。源俊頼に「あすもこむ 野路の玉川萩こえて色なる波に月やどりけり」(千載集),藤原家隆に「鶉鳴く 野路の玉川 けふくれば萩越波に秋風ぞふく」(夫木抄)などの歌がある。この小池は近くを流れる十禅寺川の伏流水が泉となって湧きい出て,咲き匂う萩とあいまって旅人の憩いの場となっていたが,宿駅が草津宿に移ってのちはその面影を失った。現在,跡と思われる場所に人工の小池が造られ,石碑がある。周辺は国道1号にも近く住宅地化が進行中。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7134400