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比良山地
【ひらさんち】


琵琶(びわ)湖の西岸とほぼ並行し,東西3~10km・南北約15kmで,北側が広く南側に狭い地塁山地。東側は湖岸に急崖で接し,西側は花折(はなおれ)断層によって切断された直線的な安曇(あど)川の断層谷で朽木(くつき)(丹波(たんば))山地と境されている。山地の北側も安曇川の谷で切られ泰山寺野(たいざんじの)の台地と接する。南側は途中(とちゆう)峠をはさんで比叡(ひえい)山地に連続していく。山頂には標高1,000m前後の平坦面が広がるが,隣接する丹波山地より200mほど高い。山地の西半は主として古生層の粘板岩・砂岩・チャートからなるが,東半は主として花崗岩からなる。前者には北から蛇谷ケ峰(じやだにがみね)(902m)・釣瓶ケ岳(つるべがだけ)(1,093m)・武奈ケ岳(ぶながだけ)(1,214m)・白滝山(しらたきやま)(1,020m)等が,後者には釈迦岳(しやかがだけ)(1,060m)・堂満岳(どうまんだけ)(1,056m)・打見(うちみ)山(1,103m)・蓬莱(ほうらい)山(1,174m)等が位置しており,山頂域に高燥湿原「八雲ケ原(やぐもがはら)」がある。東側の山腹には八淵ノ滝・楊梅ノ滝・神爾ノ滝等があり,東麓には多数の扇状地を形成し天井川が多い。さらに湖岸は近江舞子(おうみまいこ)をはじめとする白砂青松の景勝地が続く。冬季には北西の季節風が強く,特に春先の比良おろしは「比良八荒」と呼ばれ,春一番の嵐をもたらす。降雪や残雪も多いため「比良の暮雪」として近江八景の1つにも数えられている。山地のほとんどが琵琶湖国定公園に属し,北比良峠と打見山にはケーブルカー・ロープウェー・ゴンドラ・リフトの施設がありキャンプ場・ホテルの整備も進む。四季を通じ登山・ハイキングに,冬はスキーに訪れる人が多い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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