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武平峠
【ぶへいとうげ】


甲賀郡土山町大字大河原と三重県三重郡菰野町との境にある峠。昔この峠路を仁正寺越(西大路越)・大河原越・湯の山越などといった。標高877m。峠の高度や傾斜は大きいが,近江商人の本拠である湖東と伊勢を結ぶ最短路であったため山越の間道として利用された。中でも近世以降,日野椀・漆器・売薬・日野ぎれなどの行商に全国各地に出向いた日野商人が一番多く利用したであろう。天明8年には,司馬江漢が湯の山から峠を越え日野の千両店と呼ばれた中井源左衛門を訪ねている。湯の山温泉や御在所山への遊客の増加に伴い,昭和47年には武平トンネルが開通し,鈴鹿公園有料道路も完成。現在,峠は鎌ケ岳,御在所山,雨乞岳への登山路として利用されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7135001