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柞峠
【ほそとうげ】


甲賀郡信楽(しがらき)町大字下朝宮と京都府相楽(そうらく)郡和束(わつか)町大字湯船との境にある峠。湯船越ともいう。標高341m。峠名は柞という樹の名に由来するという。「輿地志略」に「柞原というは昔の柞の樹ありし処なるべし」とある。この峠路は紫香楽(しがらき)宮造営による信楽への通路として整備され,天平14年以来の歴史をもつ。南北朝期の暦応3年の朝宮合戦に,朝宮の城主鶴見蔵人少進俊純と和束の米山判官義快とがこの峠で戦った。元禄年間には松尾芭蕉がたびたびこの峠を利用した。江戸~大正期まで,朝宮の茶摘みに遠く大阪からも来ていたという。昭和に入り,国鉄バスが通うようになり,猪鼻(いのはな)峠を通り奈良と結びつけられたため,峠の通路としての存在価値もなくなり,峠の周辺はゴルフ場と化している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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